乳がんの症状と検診

乳腺症は生理前にしこりが大きくなり、痛みが増すのが特徴

乳頭には乳管と呼ばれる管が集まっています。乳管は乳房全体に張り巡らされており、乳管の先には乳腺葉があります。これら全体を包んでいるのが脂肪組織です。ざっくり言えば、乳管や乳腺葉を含んだ組織を一般的に「乳腺」といいます。この乳腺にできる良性のしこりが、30〜50歳代の女性に多く見られる「乳腺症」です。

乳がん検査で判別することが必要

しこりは、凹凸がある粒状で触ると弾力があります。生理前に起こり、生理が始まると消失する乳房の張りや痛みと同世に、生理前になるとしこりは大きくなって痛みを伴い、生理が終わると小さくなって、痛みも和らぎます。人によっては肩こりや頭痛、乳頭の先から分泌物が出るなどの症状が現れることもあります。

黄体ホルモン(プロゲステロン)、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌バランスの乱れが、乳腺症の原因と言われており、冒頭で触れた30〜50代の女性以外にも、生理周期が不規則な人、出産経験のない人、授乳回数の少ない人に起こりやすいとされています。

乳房のしこりの95%は良性で、乳腺症のしこりもがんに変化することはありません。しかし、乳がんのしこりとの判別が重要となるので、自己判断しないで乳腺外科や乳腺外来を受診して、マンモグラフィーや乳腺エコーなどの検査を受けます。仮に乳腺症と診断されても、ホルモンの分泌以上が改善すれば自然に治癒することが多いため、よほど悪化しない限り経過観察となります。

乳腺症で治療が必要となるのは、しこりが大きくなって痛みが増す、いつまで経っても症状の改善が見られない場合です。この場合はピルによる治療を行うことになります。

乳腺線維腺腫は痛みを伴わない、逃げるような硬いしこりが特徴

乳腺線維腺腫は、乳汁を作る乳腺小葉と脂肪組織にある線維性の結合組織が増殖してできる、両性のしこりです。しこりは硬くて痛みを伴わず、コリコリとした触感があり、さわると逃げるように動くのが大きな特徴です。10代から30歳くらいの若い女性に多いのも特徴です。

乳腺線維腺腫は良性のしこりなので、乳がんに変化することはありませんが、乳腺症と同様に乳がんのしこりとの判別が必要となるので、マンモグラフィーを始めとする乳がん検査を受ける必要があります。不明確な場合は、しこりのある部分に注射針を刺し、細胞を採取して調べる「細胞診」が行われます。

しこりが小さければ、自然に消失することもあるので経過観察となりますが、しこりが大きくなると乳房の見た目が気になるため摘出手術を行うこともあります。しこりのサイズが3センチ程度なら局所麻酔の下、皮膚を切開して腫瘍を取り出すという簡単な日帰り手術で治療が可能です。


▲このページの上部へ

Copyright (C) 2016 iabcr2014.org All Rights Reserved.